【少年野球審判】打撃妨害が起きたらどうする?球審の対応と進塁の処置を解説
少年野球の試合中、スイングした打者のバットが捕手のミットに接触する「打撃妨害」。私も先日の練習試合で球審を務めた際、実際に打撃妨害を経験しました。
同じ月に行われた別の試合でも打撃妨害が発生。少年野球では意外と発生することが多いプレーです。
一方で、打撃妨害だと分かっても、その後の処置まで正確に覚えている人は少ないように感じます。特に球審を始めたばかりだと、「タイムをかける?」「打者は一塁でいい?」と迷うプレーです。
そこでこの記事では、少年野球で球審を務める初心者のパパ審判に向けて、打撃妨害の判定と、発生した瞬間から試合を再開するまでの対応を、公認野球規則に沿って分かりやすく解説します。
この記事は、筆者自身の野球経験をもとにした個人の見解です。正式なルールや細かい規定については、各地域の野球連盟・協会にご確認ください。
\この記事を書いた人/

ひるきん
小学校から大学まで野球を続けた経験を持つアラフォーパパ。わが子も少年野球を始めたことがきっかけで、審判としてグラウンドに立つ機会が増えました。しかし、そこで気付かされた「野球のルール、ちゃんと分かってない…」。わが子とともに日々野球の勉強中です!炭酸水や筋トレに関する情報も発信中!
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打撃妨害とは?

打撃妨害とは、捕手などの野手が、投球を打とうとする打者の動きを妨げる行為です。公認野球規則では、守備側の妨害について次のように定義されています。
INTERFERENCE「インターフェアランス」(妨害)
(b)守備側の妨害――投球を打とうとする打者を妨げたり、邪魔をする野手の行為をいう。引用元:公認野球規則 定義44 ※抜粋
今回のように、捕手が前へ出したミットに打撃中のバットが当たり、打者のスイングを妨げた場合は、守備側の妨害、いわゆる「打撃妨害」となります。
また、打撃妨害のペナルティが適用される場合、打者には一塁が与えられることも定められています。
捕手またはその他の野手が、打者を妨害(インターフェア)した場合、打者は走者となり、アウトにされるおそれなく、安全に一塁が与えられる。(ただし、打者が一塁に進んで、これに触れることを条件とする)
引用元:公認野球規則 6.01(c) ※抜粋
打者のバットが捕手のミットを強く叩くこともあり、一見すると打者側の反則に思えるかもしれません。しかし、捕手が前へ出したミットによって、投球を打とうとする打者のスイングが妨げられた場合は、守備側の妨害です。
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打撃妨害が起きたら、球審はどうする?

最初に、打撃妨害が起きたときの基本的な対応は、次の通り。初心者のパパ審判は、打撃妨害は「宣告して、プレーを見る」と覚えておくとよいでしょう。
- 「打撃妨害!」と宣告する
- すぐにタイムをかけず、プレーの結果を見る
- プレーが一段落したら、必要に応じてタイムをかける
- 捕手のケガや、打者・走者が到達した塁などを確認する
- 規則に基づいて打者と走者を進める
- 必要に応じて両チームへ説明し、試合を再開する
打撃妨害の宣告
球審は捕手を指さし、「インターフェア!」と宣告します。ただし、その場ですぐにタイムをかけず、プレーの行方を見守ります。
球審は右手で捕手を指差し「インターフェア」(That’s interference!)と発声し、プレイを見守る。
引用元:審判メカニクスハンドブック
すぐにタイムをかけず、プレーの結果を見る
打撃妨害が起きても、打者がボールを打つことがあるため、球審は妨害を宣告しても、原則としてすぐにタイムをかけません。
捕手の妨害が宣告されてもプレイが続けられたときは、そのプレイが終わってからこれを生かしたいと監督が申し出るかもしれないから、球審はそのプレイを継続させる。
引用元:公認野球規則 6.01(c)【原注】 ※抜粋
たとえば、打撃妨害を受けながらも、打者が二塁打を打つかもしれません。その場合、攻撃側は、打撃妨害によって打者を一塁へ進めるより、二塁打の結果を生かした方が有利です。
したがって球審は、接触した瞬間にプレーを止めるのではなく、打者や走者がどこまで進んだかを確認してから処置を決めます。
プレーが一段落したら、必要に応じてタイムをかける
打撃妨害で特に覚えておきたいのが、妨害が起きても、すぐにはプレーを止めないことです。打者がそのまま安打を打ったり、走者が進塁したりする可能性があるため、球審はプレーの行方を見届ける必要があります。
妨害にもかかわらずプレイが続けられたときには、攻撃側チームの監督は、そのプレイが終わってからただちに、妨害行為に対するペナルティの代わりに、そのプレイを生かす旨を球審に通告することができる。
引用元:公認野球規則 6.01(c) ※抜粋
捕手のケガ、打者・走者の到達した塁などを確認
打撃妨害では、バットが捕手のミットだけでなく、指や手首を強く叩くこともあります。プレーが一段落したら捕手にケガがないかを確認し、必要であれば手当てを行いましょう。
あわせて、打者や走者がどの塁まで進んだかも確認しましょう。打者が安打などで一塁に達し、さらに他の走者も塁を進めた場合は、打撃妨害のペナルティを適用せず、そのままプレーの結果を生かします。
妨害にもかかわらず、打者が安打、失策、四球、死球、その他で一塁に達し、しかも他の全走者が少なくとも1個の塁を進んだときは、妨害とは関係なく、プレイは続けられる。
引用元:公認野球規則 6.01(c) ※抜粋
規則に基づいて打者と走者を進める
打撃妨害が起きたとき、打者と走者に対する基本的な処置は、次のとおりです。
| 状況 | 基本的な処置 |
|---|---|
| 走者なしで打撃妨害 | 打者に一塁を与える |
| 一塁に走者がいる | 打者に一塁を与え、一塁走者は押し出されて二塁へ進む |
| 塁を明け渡す必要のない走者がいる | 原則として妨害発生時の塁にとどめる |
| 打者とすべての走者が1個以上進んだ | 妨害とは関係なくプレーを続ける |
| 続いたプレーの方が攻撃側に有利 | 攻撃側監督が、そのプレーを選べる場合がある |
まずは、「打者には一塁」「押し出される走者は次の塁」と覚えておきましょう。
ただし、盗塁中の走者がいる場合や、三塁走者がスクイズプレーで本塁を狙っていた場合などは、処置が変わることがあります。迷ったときは審判員同士で確認し、規則に基づいて処置することが大切です。
必要に応じて両チームへ説明し、試合を再開する
プレーが落ち着いた後は、打者と捕手にケガがないか確認します。そのうえで、打者や走者がどこまで進んだかを確認し、必要な処置を両チームへ簡潔に説明します。

今回のような走者なしの場面なら、左手甲を右手でたたくジェスチャーで、打撃妨害があったことを伝えれば十分です。
\この本が参考になります/
ミットとバットが当たれば、すべて打撃妨害になる?

ミットとバットが接触しても、必ず打撃妨害になるとは限りません。球審が確認するのは、捕手が、投球を打とうとする打者を妨げたかどうかです。
たとえば、次のようなケースは打撃妨害に当たります。
- 捕手がミットを前へ出し、打撃中のバットに接触した
- 捕手のミットによって、打者が十分にスイングできなかった
- 捕手の動きが、投球を打とうとする打者の邪魔になった
一方、打者が空振りした後、スイングの余勢でバットが捕手やミットに当たった場合は、打撃妨害とは限りません。
球審は、「打者が投球を打とうとしている途中に、捕手がその動きを妨げたのか」を見て判断することが大切です。
\反対に守備妨害になることも…/
私が審判中に経験した打撃妨害

同じ月に行われた試合で、2度の打撃妨害。打撃妨害は、私が思っていたよりも少年野球で起こり得るプレーなのだと実感しました。
- 球審中に起きた打撃妨害
- 塁審中に起きた打撃妨害
球審中に起きた打撃妨害
先日の練習試合で、私が球審を務めていたときのこと。走者がいない場面で、打者がスイングした直後に「ボスッ」という音が聞こえました。
それは、捕手のミットの先に、打者のバットが当たった音です。打球は前へ飛ばず、捕手がいったん捕球したボールも、その場にこぼれ落ちました。
幸い、バットが当たったのはミットの先で、捕手にケガはありませんでした。その後、打者に一塁を与えて試合を再開しました。
私自身、捕手をしていた頃に何度か経験したプレーだったため、接触した瞬間に打撃妨害だと判断できました。走者なしの状況であったため、打者の進塁処置もスムーズに行なえました。
\正しい判定には音もポイント/
塁審中に起きた打撃妨害
その後、私が塁審を務めた別の試合でも、走者一塁の場面で打撃妨害が発生しました。球審を務めた試合に続き、同じ月に2回目の打撃妨害です。
球審は、打撃妨害を宣告した後の処置に迷っている様子でした。そこで、プレーが落ち着いたところでタイムをかけ、審判員で協議しました。
協議の結果、打者を一塁、一塁走者を二塁へ進める処置をとりました。打者のバットが捕手の手首に当たったとのことでしたが、幸いケガはなく、ひと安心。
経験が少ない場合、打撃妨害だと判断できても、その後の処置に迷うことがあります。今回の経験から、球審だけでなく、塁審も基本的な処置を知っておくことが大切だと感じました。
\意外と知らない安全進塁の処置/
まとめ|打撃妨害は「宣告して、プレーを見る」

打撃妨害は、捕手が、投球を打とうとする打者の動きを妨げる行為のこと。ポイントをまとめると、次のとおりです。
- 捕手のミットが打撃中のバットに当たり、スイングを妨げれば打撃妨害
- ミットとバットが接触しても、すべて打撃妨害になるとは限らない
- 打撃妨害が起きても、球審は原則としてすぐにタイムをかけない
- 球審は、まずプレーの結果を見届ける
- ペナルティが適用される場合、打者には一塁が与えられる
- 打者とすべての走者が1個以上進めば、そのままプレーを続ける
- 続いたプレーの方が有利な場合は、攻撃側の監督がその結果を選べる
私自身、同じ月に2度の打撃妨害を経験し、少年野球でも意外と起こり得るプレーだと感じました。
発生する頻度がそれほど高くないプレーだからこそ、突然起きると処置に迷ってしまいます。球審を務めるときは、次の流れだけでも覚えておきましょう。
- 「インターフェア!」と宣告する
↓ - プレーを見る
↓ - タイムをかける
↓ - 打者・走者を処置する
また、塁審を務める場合も、基本的な処置を知っていれば、球審が迷ったときに審判員同士で確認できます。この流れが頭に入っていれば、実際に打撃妨害が起きても、審判員で協力しながら落ち着いて対応できるはずです。
以上、この記事が参考になれば、うれしいです^^
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