先日、三塁審判を担当したときのこと。三塁に走者がいる場面で、右打者から三塁側へ強いライナーやゴロが何度も飛んでくる試合でした。

そんな中、ふと私の頭をよぎった疑問。

  • 「もし、この打球が走者に当たったら…?」
  • 「フェアゾーンとファールゾーンで、扱いは変わる?」
  • 「送球が走者に当たったら、どうなる?」

試合中、その場面に出くわすことはなかったものの、私自身ルールがあやふやであることに気づきました。

そこで今回は、打球や送球が走者に当たった場合のルールや考え方を整理しました。この記事が、私と同じ「パパ審判」が迷わず判断できるお手伝いがてぎれば、うれしいです。

この記事は、公認野球規則を参考にしつつ、筆者自身の野球経験をもとにした個人の見解です。正式なルールや細かい規定については、各地域の野球連盟・協会にご確認ください。

ひるきん
小学校から大学まで野球を続けた経験を持つアラフォーパパ。わが子も少年野球を始めたことがきっかけで、審判としてグラウンドに立つ機会が増えました。しかし、そこで気付かされた「野球のルール、ちゃんと分かってない…」。わが子とともに日々野球の勉強中です!
>>さらに詳しいプロフィールを見る

ボールが走者に当たった時の基本ルール

まずは、ボールが走者に当たったときの基本的な考え方を、表に整理しました。なお、野手に触れる前に、打球や送球が直接走者に当たった場合を前提としています。

ボール当たった場所判定プレー後の処置
打球フェアゾーン走者アウトボールデッド
打球ファールゾーンファールボールデッド
送球フェアゾーン、ファールゾーンは不問アウトなしインプレー
※走者の行為がインターフェア(守備妨害)と判断される場合を除きます。

公認野球規則では「ファウル」と記載されていますが、本記事では「ファール」と表現しています。

▲最初へ戻る

フェアゾーンで打球が走者に当たったらアウト

出典:https://www.pexels.com

打者の打ったフェアボールが、野手に触れる前に走者に当たった場合、その走者はアウト。ただちにボールデッドとなり、プレーは中断されます。

この判定の根拠は、公認野球規則5.09(b)(7)【注1】 。打者の打ったフェアボールが野手に触れる前に走者に触れた場合、走者が故意に触れたか、やむを得ず触れたかを問わず、走者はアウトになると明記されています。

走者が、フェアボールに、フェア地域で触れた場合。

引用元:公認野球規則5.09(b)(7)【注1】より抜粋

打球が直接走者に当たった場合、走者が塁に触れているか、離れているかは関係ありません。重要なのは、

  • 野手に触れる前かどうか
  • 当たった位置がフェアゾーンかどうか

を瞬時に見極めることです。ここを押さえておけば、強い打球が走者方向へ飛んできても、迷わず「走者アウト+ボールデッド」の判定ができます。

フェアゾーンでは、打球が走者に当たった時点で走者アウトとなるため、当たったかどうかの見極めが非常に重要になります。

▲最初へ戻る

ファールゾーンで走者に打球が当たったらファール

出典:https://www.pexels.com

打者の打った打球がファールゾーンで走者に当たった場合、その打球はファールとなり、ボールデッドとして扱われます。

このケースでは、走者がアウトになることはありません。これは公認野球規則において、打球が最初に触れた場所がファール地域であれば、その打球はファールボールであると定義されているためです。

ファウル地域内またはその上方空間で、審判員またはプレーヤーの身体、あるいは、地面以外のものに触れたもの。

引用元:公認野球規則定義32(d)

審判として重要なのは、走者に当たった瞬間の位置がフェアゾーンかファールゾーンかを正確に見ることです。ここを見誤らなければ、走者アウトと混同することありません。

ファールゾーンであっても、走者の行為が打球を処理しようとする野手の妨げになったと審判員が明確に判断した場合には、守備妨害(インターフェア)として走者アウトになるケースもあります。ただし、単に打球が当たっただけでは、直ちに守備妨害とはなりません。

▲最初へ戻る

送球が走者に当たっても原則アウトにならない

出典:https://www.pexels.com
出典:https://www.pexels.com

野手の送球が走者に当たった場合、フェアゾーンかファールゾーンかを問わず、原則として走者はアウトになりません。ボールはインプレーとして扱われ、プレーはそのまま継続されます。

これは送球が当たって走者アウトとなる場合は、「故意に」妨げた場合に限られる公認野球規則で定められているためです。

走者が、送球を故意に妨げた場合、または打球を処理しようとしている野手の妨げになった場合。

引用元:公認野球規則5.09(b)(3)

言い換えれば、故意ではなく送球が当たった場合は、走者アウトではないということ。通常の走塁中に送球が当たっただけでは、故意とは認められず、走者アウトにはなりません。

走者が意図的に送球の進路に入ったり、体や手を使って送球を妨げたと審判員が判断した場合、インターフェア(守備妨害)で走者アウト。審判としては、走者の動きが自然な走塁だったのか、送球を妨げる意図があったのかを見極めることも必要です。

▲最初へ戻る

まとめ|審判が見るべき判断ポイント

三塁審判や一塁審判をしていると、ファールライン際への打球や送球が走者と野手が重なりやすく、判断が最も難しくなりがちです。しかし、見るべきポイントを整理しておけば、迷いは大きく減らせます。

審判が瞬時に確認すべきポイントは次の4つです。

  • 当たったのは「打球」か「送球」か
  • 野手に触れる前だったかどうか
  • 当たった瞬間はフェアゾーンかファールゾーンか
  • 走者の行為が守備妨害と判断されるものだったか

この順番で頭の中を整理できれば、実際に走者にボールが当たった場合にも、落ち着いて判定できるはず。あとは次のフローチャートに沿って、対処するだけです。

ぜひ次の試合の審判では、他のパパよりも落ち着き、「おっ!」と感心されるあなたの判定を期待しています。

▲最初へ戻る

おまけ|頼りになる『公認野球規則』

ボールが走者に当たった場合のルールを整理するため、公認野球規則の条文を何度も読み返しました。難しく複雑なルールを整理するときこそ、必ず頼りにしたい一冊です。

手元に置いておくだけで「分からないルールがあっても、これを読めば大丈夫」と思えるので安心。価格も手頃なので、審判を担うお父さんは、持っておいて損はありません。

以上、この記事が参考になれば、うれしいです^^

▲最初へ戻る