先日の少年野球の練習試合で、2ストライクに追い込まれた打者がバントしました。打球はファールになりましたが、球審が宣告したのは打者アウト。いわゆる「スリーバント失敗」による三振です。

その様子を見ていたお母さん方から聞こえてきたのが、「ファールなのに、なんでアウトなの?」という声。

たしかに、普通に打った打球がファールになっても、打者はアウトになりません。2ストライクのまま、もう一度打つことができます。

しかし、2ストライク後にバントした打球がファールになると、打者はアウトになります。初めて子どもの試合を見るパパやママにとっては、「今のは何が起きたの?」となりやすいプレーです。

そこで今回は、少年野球でも見られる「スリーバント失敗」について、公認野球規則をもとに分かりやすく解説します。

  • スリーバント失敗とは何か
  • ファールなのになぜ三振になるのか
  • 普通のファウルとの違い
  • 走者がいる場合の処置
  • 審判がどのように対応するのか

「野球のルールを今さら人に聞きにくい……」というパパやママも、公認野球規則の条文を参考に確認していきましょう。

この記事は、筆者自身の野球経験をもとにした個人の見解です。正式なルールや細かい規定については、各地域の野球連盟・協会にご確認ください。

ひるきん
小学校から大学まで野球を続けた経験を持つアラフォーパパ。わが子も少年野球を始めたことがきっかけで、審判としてグラウンドに立つ機会が増えました。しかし、そこで気付かされた「野球のルール、ちゃんと分かってない…」。わが子とともに日々野球の勉強中です!炭酸水や筋トレに関する情報も発信中!
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スリーバント失敗とは?

スリーバント失敗とは、2ストライク後にバントした打球がファールになることです。この場合、打者は三振でアウトになります。

例えば、次のようなカウントでも該当します。

  • 見逃しと空振りで2ストライクになった後、初めてバントしてファール
  • 1回目のバントがファールになり、次の投球を見逃して2ストライクになった後、再びバントしてファール
  • 2回続けてバントがファールになった後、もう一度バントしてファール

「バントを3回試みたか」ではなく、2ストライク後のバントがファールになったかがポイント。まずは、これだけ覚えておけば大丈夫です。

スリーバント失敗がアウトになる根拠

スリーバント失敗がアウトになる理由について、公認野球規則に沿って解説していきます。

  1. 2ストライク後のバントファールは打者アウト
  2. スコアには三振と記録される
  3. スリーバント失敗アウトがなかったら?

2ストライク後のバントファールは打者アウト

公認野球規則では、2ストライク後のバントがファールになった場合は、打者がアウトになることが定められています。

2ストライク後の投球をバントしてファウルボールになった場合。

引用:公認野球規則 5.09(a)(4)

言い換えれば、2ストライク後でも、通常の打撃による打球がファールボールになった場合は、打者アウトになりません。

スコアには三振と記録される

打者アウトになるスリーバントですが、実はスコア上は三振が記録されます。このことは、公認野球規則に三振を記録するケースの1つとして明記されています。

2ストライク後、打者がバントを企ててファウルボールとなった場合。

引用:公認野球規則 9.15(a)(4)

バットを振って空振りしたわけではありませんが、記録は三振なので、少し不思議な感じがしますよね。

スリーバント失敗アウトがないと不公平

もしスリーバント失敗でアウトになるルールがなかったら……?私なら、こんなズルをしちゃいます。

例えば…

マウンドには有名な豪速球投手。とてもじゃないけど、自分にはヒットが打てそうにない。だったら、「よし、バントの構えでファールで粘って、フォアボールで出塁だ!」

…と、もし2ストライク後もバントファールを繰り返せるなら、投手はすごく不利になります。

公認野球規則には、このルールが設けられた理由までは記載されていません。ただ、攻撃側と守備側のバランスを考えると、納得できるルールです。

公認野球規則におけるバントとは?

そもそも、どのような打ち方が「バント」なのでしょうか。公認野球規則では、バントを次のように定義しています。

バットをスイングしないで、内野をゆるく転がるように意識的にミートした打球である。

引用:公認野球規則 定義13

バットを通常のように振らず、ボールへ意識的に当てて、内野へゆるく転がす打ち方です。走者を進める送りバントや、三塁走者の生還を狙うスクイズなどで使われます。

スリーバント失敗になるケース・ならないケース

スリーバント失敗になるのは、2ストライク後のバント打球がファールになったときだけ。その他の場面では、たとえバントであっても、通常と同じ扱いです。

主なプレーと判定を、次の表にまとめました。

プレー判定
2ストライク後、バントしてファールスリーバント失敗で打者アウト
2ストライク後、普通に打ってファール2ストライクのまま打ち直し
2ストライク後、バントを空振り通常の三振
2ストライク後、バントした打球がフェアプレー続行
バントした飛球を野手が捕球飛球によるアウト
0ストライクでバントしてファール1ストライク
1ストライクでバントしてファール2ストライク
バントの構えからバットを引いて見逃す投球に応じてボールまたはストライク

同じファールでも、2ストライク後のバントによるものか、通常の打撃によるものかで判定が変わります。

スリーバント失敗になったら走者はどうなる?

出典:https://www.pexels.com

パパ審判としておさえておきたいのが、スリーバント失敗時の走者の措置。試合で迷わないよう、整理しておきましょう。

  1. スリーバント失敗ならボールデッド
  2. バント飛球を捕球された場合は注意

スリーバント失敗ならボールデッド

走者がいる場面でスリーバント失敗になった場合、走者は進塁できません。バントした打球がファールボールとなれば、ボールデッドになるためです。

ファウルボールが捕球されなかった場合──各走者は戻る。

引用:公認野球規則 5.06(c)(5)

例えば、走者一塁で送りバントを試み、一塁走者が二塁へスタートしていたとします。そのバントがスリーバント失敗になれば、次の処置になります。

  • 打者は三振でアウト
  • ボールデッド
  • 一塁走者は一塁へ戻る

なお、球審は走者が元の塁に戻るまでは、ボールインプレイの状態にすることはできません。

バント飛球を捕球された場合は注意

スリーバントがファールゾーンへの飛球となり、野手がノーバウンドで捕球した場合は、飛球によるアウトとなり、ボールインプレイの状態が続きます

飛球アウト時に走者が塁を飛び出していれば、野手は走者が帰塁する前にアウトを狙うことができます。パパ審判としても、覚えておきたいポイントです。

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スリーバントは反則ではない

スリーバントそのものは反則ではありません。2ストライク後でも、打者はバントしてもOKです。

  1. アウトになるリスクが高まるだけ
  2. スリーバントで守備の意表をつける

アウトになるリスクが高まるだけ

ただし、バントした打球がファウルになると打者アウトになるため、通常のバントよりも失敗したときのリスクが高くなります。

それでも、どうしても走者を進めたい場面や、1点を取りたい場面では、2ストライク後でも、あえてバントを選択することがあります。「スリーバントのサイン」が出た場合、監督やコーチはリスクよりも進塁や得点を求めていることになります。

スリーバントで守備の意表をつける

野手も「2ストライクだし、バントはないだろう」と判断することが多いはず。内野手や捕手の経験がある私自身がそうでした。

これを逆手に取れば、相手の意表を突いた攻めができます。バントに自信のある選手なら、セーフティバントやスクイズを仕掛けるのも選択肢の1つです。

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審判はスリーバント失敗をどう宣告する?

2ストライク後のバントがファールになったら、球審はファールボールと打者アウトを明確に宣告します。

基本的な対応は、次のとおりです。

  1. バントした打球がファールになったことを確認する
  2. 「ファール」と宣告する
  3. 「バッターアウト」を宣告する
  4. 走者がいれば元の塁へ戻す
  5. アウトカウントを確認して試合を再開する

打者や守備側、ベンチ、観客が勘違いしないよう、

「ファール!バッターアウト!」

と、打者がアウトになったことまで明確に伝えることが大切です。

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まとめ|2ストライク後のバントファールは三振

今回のポイントをまとめます。

スリーバント失敗のポイント
  • スリーバントとは、一般的に2ストライク後に行うバント
  • 2ストライク後のバントがファウルになると打者アウト
  • スコア上は三振と記録される
  • 普通に打ったファールなら、2ストライクのまま打ち直し
  • 2ストライクになる前のバントファールは、通常どおりストライク
  • スリーバント失敗ではボールデッドとなり、走者は元の塁へ戻る
  • スリーバントそのものは禁止されておらず、作戦として使うことができる

野球には、経験者にとっては当たり前でも、初めて子どもの試合を見るパパやママには分かりにくいルールがたくさんあります。私も保護者審判としてグラウンドに立つようになり、実際のプレーを経験しながら、一つずつ規則を確認してきました。

スリーバント失敗も、仕組みが分かれば難しくありません。子どもの試合で「ファールなのに、なんでアウト?」と思ったときは、2ストライク後のバントだったかを確認してみてください。

以上、この記事が参考になれば、うれしいです^^

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