野球のDHルールとは?少年野球パパ向けに大谷ルールやDH消滅を解説
子どもと甲子園へ見に行った、2026年の夏の高校野球。試合を見ながら気になったのが、高校野球でも使われるようになったDH(指名打者)です。
「DHが投手の代わりに打つ選手」ということは知っていましたが、詳しいルールまでは説明できませんでした。
- DHにも代打や代走を送れる?
- DHが守備についたらどうなる?
- 投手を降りてもDHとして残れる?
- 少年野球でもDHを使える?
わが子が少年野球をしており、私も保護者審判としてグラウンドに立っています。少年野球でも2024年度からDH制が導入されており、少年野球に関わるパパ審判にとっても、知っておいて損のないルールです。
そこで今回は、公認野球規則や各団体の規定を確認しながら、DHの基本ルールを少年野球パパにも分かるように解説します。
DHの採用方法は所属団体や大会によって異なります。実際の試合では、必ず大会要項や特別規則を確認してください。
\この記事を書いた人/

ひるきん
小学校から大学まで野球を続けた経験を持つアラフォーパパ。わが子も少年野球を始めたことがきっかけで、審判としてグラウンドに立つ機会が増えました。しかし、そこで気付かされた「野球のルール、ちゃんと分かってない…」。わが子とともに日々野球の勉強中です!炭酸水や筋トレに関する情報も発信中!
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DHとは投手の代わりに打つ選手

DHとは「Designated Hitter」の略で、日本語では「指名打者」と呼ばれます。簡単にいうと、投手の代わりに打席へ立つ、打撃専門の選手です。
先発投手または救援投手が打つ番のときに他の人が代わって打っても、その投球を継続できることを条件に、これらの投手に代わって打つ打者を指名することが許される。
引用元:公認野球規則5.11(a)(1)
通常は投手も打順に入りますが、DHを使う場合は役割を分けます。
| 選手 | 主な役割 |
|---|---|
| 投手 | 守備で投げるが、打席には立たない |
| DH | 守備にはつかず、投手の代わりに打つ |
守備につくのは従来どおり9人ですが、投手とDHが別の選手になるため、先発出場する選手は合計10人です。
例えば、3番打者がDHなら、その選手は3番打者として打席に立ちます。一方、投手は守備で投げますが、打順には入りません。
高校野球では2026年度からDH制を採用

高校野球では、2026年度のシーズンインからDH制を採用しています。私が観戦した2026年夏の甲子園でも、実際にDHが使われていました。
高校野球では令和8(2026)年度シーズンインから指名打者制を採用します。
ただし、DHの使用は義務ではありません。投手を打順に入れ、従来どおり9人で試合に出ることもできることが、公認野球規則に記載されています。
チームは必ずしも投手に代わる指名打者を指名しなくてもよいが、試合前に指名しなかったときは、その試合で指名打者を使うことはできない。
引用元:公認野球規則5.11(a)(3)
DHを使うか、使わないかはチームの自由。ただし、試合開始時にDHを使わなかったチームが、試合途中からDHを使い始めることはできません。
\甲子園行ったらメチャ勉強になった話/
少年野球でもDHが使える大会がある

少年野球でもすでにDHが認められている大会があります。全日本軟式野球連盟は、2024年度から少年部・学童部の各種大会にDH制を導入しています。
令和6年度の少年部各種大会より指名打者制度の導入を行います。
その目的は、打撃が得意な選手を活用することだけではありません。1人でも多くの選手に試合へ出場する機会を与える目的もあります。
投手とDHを合わせて10人が先発出場できることで、次のような選手にも出場の可能性が広がります。
- 打撃は得意だが、まだ守備に不安がある選手
- 投球に集中させたい投手
- ケガなどにより守備の負担を減らしたい選手
ただし、すべての少年野球大会で必ずDHを使えるわけではありません。審判を担当する前に、その大会の要項や特別規則を確認しておくと安心です。
\他のルールも確認しておくと安心/
DHを使うときは試合前の申告が必要

DHを使う場合は、試合開始前のオーダー表に、誰がDHなのかを記載します。公認野球規則5.11(a)(1)には、次のように定められています。
投手に代わって打つ指名打者は、試合開始前に選ばれ、球審に手渡す打順表に記載されなければならない。
引用元:公認野球規則5.11(a)(1)
DHは打順に入りますが、投手は打順から外れます。パパ審判としてオーダー表を受け取る場合は、DHと投手がそれぞれ誰なのかを確認する必要があります。
なお、試合前にDHを申告しなかった場合、その試合の途中からDHを追加することはできません。
チームは必ずしも投手に代わる指名打者を指名しなくてもよいが、試合前に指名しなかったときは、その試合で指名打者を使うことはできない。
引用元:公認野球規則5.11(a)(3)
\メンバー表を交換したらDHをチェック/
先発DHは原則として最初の打席を終える必要がある

先発出場したDHは、原則として、相手の先発投手に対する最初の打席を終えるまで交代できません。
試合開始前に交換された打順表に記載された指名打者は、相手チームの先発投手に対して、少なくとも1度は、打撃を完了しなければ交代できない。ただし、その先発投手が交代したときは、その必要はない。
引用元:公認野球規則5.11(a)(2)
これは、最初から交代させるつもりの選手を、名前だけ先発DHとして出場させる「当て馬」を防ぐためのルールです。
相手の先発投手が先に交代した場合は、DHがまだ一度も打席を終えていなくても交代できます。また、負傷や病気により球審が出場できないと認めた場合も、例外として交代が認められます。
DHにも代打や代走を送れる

DHは打撃専門の選手ですが、通常の打者と同じように代打や代走を送れます。
- DHに代打を送った場合
- DHに代走を送った場合
- DHの打順は変更できない
DHに代打を送った場合
DHに代打を送った場合の処置は、次のように定められています。
指名打者に代えて代打者を使ってもよい。指名打者に代わった打者は以後指名打者となる。退いた指名打者は再び試合に出場できない。
引用元:公認野球規則5.11(a)(4)
例えば、3番DHのA選手に代えてB選手を代打に送った場合、B選手がその後の3番DHを引き継ぎます。代わりにA選手は試合から退き、再び出場することはできません。
DHに代走を送った場合
DHに代走が送られ場合も、考え方は同じです。
指名打者に代わって代走者が出場することができるが、その走者が以後指名打者の役割を受け継ぐ。
引用元:公認野球規則5.11(a)(6)
DHのA選手が出塁し、B選手を代走に送った場合、B選手がその後のDHになります。
DHの打順は変更できない
代打や代走を送っても、DHの打順は変わりません。
指名打者は、打順表の中でその番が固定されており、多様な交代によって指名打者の打撃の順番を変えることは許されない。
引用元:公認野球規則5.11(a)(7)
3番DHに代打や代走を送った場合、新しく出場した選手も3番を引き継ぎます。「代打を出したので、次から6番DHに変更する」といった打順変更はできません。
DHが守備につくことはできる?

DHを守備につかせることは可能です。しかし、DHが守備についた時点で、そのチームのDHは消滅します。
指名打者が守備位置についた場合それ以後指名打者の役割は消滅する。
引用元:公認野球規則5.11(a)(12)
例えば、3番DHのA選手をレフトの守備につかせた場合、A選手は引き続き3番を打ちます。一方、それまでレフトを守っていた選手は交代となり、投手がその選手の打順を引き継ぎます。
指名打者が守備についてもよいが、自分の番のところで打撃を続けなければならない。したがって、投手は退いた守備者の打順表を受け継ぐことになる。
引用元:公認野球規則5.11(a)(5)
少し複雑ですが、簡単にまとめると、次の流れです。
- DHは自分の打順のまま守備につく
- 投手が、守備から退いた選手の打順に入る
- 以後はDHなしの9人で試合を続ける
一度DHが消滅すると、その試合でDHを復活させることはできません。
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DHが消滅する5つのケース

DHが守備につく以外にも、守備変更や選手交代によってDHが消滅する場合があります。主なケースは次の5つです。
| DHが消滅する場面 | 根拠規則 |
|---|---|
| 投手が他の守備位置についた | 5.11(a)(8) |
| 代打者や代走者が、そのまま投手になった | 5.11(a)(9) |
| 投手がDHの代打または代走になった | 5.11(a)(10) |
| DHが守備についた | 5.11(a)(12) |
| 他の守備位置の選手が投手になった | 5.11(a)(14) |
投手が他の守備位置についた
投手が一度他の守備位置についた場合、それ以後指名打者の役割は消滅する。
引用元:公認野球規則5.11(a)(8)
例えば、投手を交代させて、その選手をレフトへ移した場合です。投手としては降板しても試合には残れますが、DHは消滅します。
代打者や代走者が投手になった
代打者が試合に出場してそのまま投手となった場合、それ以後指名打者の役割は消滅する。
引用元:公認野球規則5.11(a)(9)
DHへの代打として出場した選手が、そのまま次の守備から投手になる場合などが該当します。
投手がDHの代打や代走になった
投手が指名打者に代わって打撃するかまたは走者になった場合、それ以後指名打者の役割は消滅する。
引用元:公認野球規則5.11(a)(10)
試合に出ている投手がDHの代わりに打席へ立ったり、代走になったりすると、DHは消滅します。
DHが守備についた
指名打者が守備位置についた場合それ以後指名打者の役割は消滅する。
引用元:公認野球規則5.11(a)(12)
DHは守備につけますが、その時点からDHではなくなります。
他の守備位置の選手が投手になった
他の守備位置についていたプレーヤーが投手になれば、それ以後指名打者の役割は消滅する。
引用元:公認野球規則5.11(a)(14)
例えば、ショートを守っていた選手が投手に交代した場合です。投手とDHの組み合わせが変わるため、それ以後DHは使えません。
DHが消滅する場面は、どれも選手交代や守備位置の変更と同時に発生します。
パパ審判としては、DHがいる試合で投手や守備位置が変わったら、DHが継続するのかを確認すると覚えておくとよいでしょう。
大谷ルールとは?

大谷ルールとは、同じ選手が投手として守備につきながら、DHとして打席にも立つルールです。オーダー表には、同じ選手の名前を次の2つの役割で記載します。
- 先発投手
- DH
投手兼DHが成立する大谷ルール
監督は自分のチームの打順表に10人のプレーヤーを記載し、このプレーヤーにおいて、一つは先発投手、もう一つは指名打者として2度、同じ名前を記載することになる。
引用元:公認野球規則5.11(b)
投手兼DHの選手は、マウンドを降りてもDHとして打席に立ち続けることができます。反対に、DHとしての役割を退いても、投手として試合に残ることができます。
もしこのプレーヤーが投手を退いたとしても、指名打者としては出場し続けることはできるが、再び投手として出場することはできない。また、このプレーヤーが指名打者を退けば、投手として出場し続けることはできるが、再び打者として打席に立つことはできない。
引用元:公認野球規則5.11(b)
ここで注意したいのは、一度退いた役割には戻れないことです。
| 変更後の状態 | その後 |
|---|---|
| 投手を退き、DHとして残る | 再び投手には戻れない |
| DHを退き、投手として残る | 再び打席には立てない |
| 投手とDHを両方退く | 試合から完全に退く |
少年野球では大谷ルールを採用しない
学童部・少年部では、大谷ルールを採用していません。全日本軟式野球連盟の通知には、次のように示されています。
導入については、一人でも多くの選手に出場機会を与えるためのルールであるため、「大谷ルール」は採用いたしません。
少年野球でDHを導入した目的のひとつは、1人でも多くの選手に出場機会を与えること。投手とDHを同じ選手が兼ねると、出場する選手は増えないため、投手とDHを別の選手にする運用になっています。
少年野球では地域や大会ごとに特別規則が定められていることがあります。試合前には、実際の大会要項を確認しましょう。
パパ審判はDHルールをどこまで覚えればいい?

最初から公認野球規則をすべて暗記するのは大変。少年野球のパパ審判の方なら、まずは次の5つを覚えておけばよさそうです。
- DHは基本的に投手の代わりに打つ選手
- DHを使う場合は試合前に申告する
- 試合途中からDHを使い始めることはできない
- DHへの代打や代走は、そのままDHを引き継ぐ
- DHや投手が別の守備位置につくと、DHが消滅する場合がある
特に難しいのが、DH消滅後の打順です。DHが守備についたり、野手が投手へ交代したりすると、複数の選手と打順が同時に動くことがあります。
複雑な交代があった場合は、次の流れで確認すると安全です。
- 監督から交代内容を確認する
- オーダー表に書き込む
- 相手チームへ交代内容を伝える
- 必要なら責任審判や大会本部に確認する
- 打順が確定してから試合を再開する
急いで判断してしまうより、一度試合を止めて正しく確認することのほうが大切だと、私は思います。
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まとめ|DHは少年野球パパも知っておきたいルール

DHとは、基本的に投手の代わりに打席へ立つ指名打者のこと。今回のポイントをまとめると、次のとおりです。
- DHは投手の代わりに打つ選手
- DHを使うかどうかは試合前に決める
- 試合途中からDHを使い始めることはできない
- DHにも代打や代走を送れる
- DHが守備につくなどするとDHが消滅する
- 一度消滅したDHは、その試合では復活しない
- 少年野球では大谷ルールを採用しない
DHの採用方法は所属団体や大会によって異なります。実際の試合では、必ず大会要項や特別規則を確認してください。
2026年の甲子園でDHが使われているのを見たことが、今回ルールを調べるきっかけになりました。
DHのない大会では、すぐに使う知識ではないかもしれません。それでも今後、DHを採用する大会で審判を担当したり、わが子が出場したりする可能性はあります。
まずは、「DHは投手の代わりに打つ選手」「守備変更によって消滅することがある」という基本だけでも覚えておきたいと思います。
私自身も、まだまだ勉強中です。わが子と野球を楽しみながら、パパ審判として少しずつルールへの理解を深めていきたいと思います。
以上、この記事が参考になれば、うれしいです^^
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