先日の少年野球の練習試合でのこと、1アウト走者二塁の場面で三遊間へ転がる打球。「遊撃手が捕りそう」と思った次の瞬間、打球が二塁走者に当たってしまいた。

審判は、すぐにボールデッドを宣告。打球に当たった二塁走者は、インターフェアでアウトとなりました。

このとき、審判をしてくれていたパパが迷っていたのが、「打者をどう処置するか?」ということ。また、ベンチでスコアを書いていたママも、「どうやって記録するのか?」と迷っていました。

走者に打球が当たるプレーは、それほど頻繁に起こるわけではありません。ただ、突然発生すると、審判もスコアラーも判断に迷ってしまいますよね。

今回のケースでは、二塁走者はアウト。打者には一塁が与えられ、記録は内野安打となります。

この記事では、走者に打球が当たったときの判定とスコアの付け方を、公認野球規則に基づいて分かりやすく解説します。

この記事は、筆者自身の野球経験をもとにした個人の見解です。正式なルールや細かい規定については、各地域の野球連盟・協会にご確認ください。

ひるきん
小学校から大学まで野球を続けた経験を持つアラフォーパパ。わが子も少年野球を始めたことがきっかけで、審判としてグラウンドに立つ機会が増えました。しかし、そこで気付かされた「野球のルール、ちゃんと分かってない…」。わが子とともに日々野球の勉強中です!炭酸水や筋トレに関する情報も発信中!
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走者に打球が当たったらどうなる?

出典:https://www.pexels.com

野手に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者に当たった場合、原則として次のように判定します。

  • 打球に当たった走者はアウト
  • 当たった瞬間にボールデッド
  • 打者は一塁へ進む
  • 他の走者は、押し出される場合を除いて進塁できない

今回のケースに当てはめると、次のようになります。

状況判定
アウトカウントワンアウト
走者二塁
打球三遊間へのフェアボール
打球に当たった選手二塁走者
二塁走者インターフェアでアウト
打者一塁へ
プレー後ツーアウト、走者一塁

二塁走者に打球が当たった時点でボールデッドとなるため、その後に野手がボールを拾って送球する必要はありません。

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なぜ二塁走者はアウトになる?

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公認野球規則では、走者アウトになるケースの1つとして、次のことを定めています。

走者が、《1人の内野手の股間または側方を通過する前で、さらに他の内野手が守備する機会がない状態の》フェアボールに、フェア地域で触れた場合。

引用元:公認野球規則5.09(b)(7)

フェアボールに当たった走者はアウト。野手に触れる前の打球が走者に当たった場合、故意かどうかにかかわらず走者はアウトです。

今回の二塁走者も、三遊間へ転がったフェアボールに当たったため、インターフェアによるアウトとなりました。

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打者はアウトにならず一塁へ進む

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走者がアウトになったことで、「打者もアウト?打ち直し?」と迷うかもしれません。次のケースでは、今回の打者はアウトにならず、一塁へ進めることが公認野球規則で定められています。

野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で審判員または走者に触れた場合

引用元:公認野球規則5.05(b)(4)

1アウト走者二塁の場面で起きた今回のプレー。試合再開は、2アウト走者一塁でスタートします。

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打者の記録は内野安打になる

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スコアラーが特に迷いやすいのが、打者の記録。今回の打球は、走者に当たっていなければ、遊撃手ゴロでアウトだったかもしれません。

しかし、打者の記録は安打です。このことは、公認野球規則において、安打として記録するケースとして定められています。

野手に触れていないフェアボールが、走者、審判員の身体または着衣にフェア地域で触れた場合。

引用元:公認野球規則9.05(a)(5)

今回のケースでは、野手に触れていないフェアボールが二塁走者に当たったため、打者には安打が記録されます。「遊撃手が捕っていたらアウトだったかも」という予測で、打者を凡打にしないよう、注意が必要です。

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スコアブックにはどう書く?

一般的なスコアブックでは、インターフェアを表す「IP」を使って、二塁走者が妨害によってアウトになったことを記入します。

今回のケースでは、打者は遊撃手への内野安打を記入します。

  • 二塁走者:IPによるアウト
  • 打者:内野安打
  • アウトカウント:ワンアウトからツーアウト
  • プレー後:走者一塁

なお、公認野球規則では、走者がフェアボールに触れてアウトになった場合、打球の最も近くにいた野手に刺殺を記録すると定められています。

走者がフェアボール(インフィールドフライを含む)に触れて、アウトを宣告された場合──その打球の最も近くにいた野手に刺殺を与える。

引用:公認野球規則9.09(c)(2)

今回のプレーでは、打球に最も近かった遊撃手が刺殺したことになります。

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走者に当たってもアウトにならない場合がある

フェアボールが走者に当たっても、必ずアウトになるとは限りません。次のようなケースでは、走者はセーフと判定されます。

  1. いったん野手に触れた打球が当たった
  2. 内野手を通過した打球が当たった

いったん野手に触れた打球が当たった

野手が打球に触れたあと、その打球が走者に当たっても、走者は原則としてアウトになりません。この場合はボールインプレーのまま、プレーを続けます。

内野手を通過した打球が当たった

内野手の股間や側方を通過した直後に走者へ当たり、ほかの内野手にも守備機会がなかった場合、走者はアウトになりません。こちらもボールインプレーです。

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審判はどう対応する?

今回のようなプレーが起きたら、審判は次の順番で対応すると分かりやすいでしょう。

  1. 打球が走者に当たったことを確認
  2. 「タイム!」と宣告
  3. 当たった走者をアウトにする
  4. 打者走者を一塁へ進める
  5. ほかの走者を必要な塁へ戻す
  6. アウトカウントと走者を確認して再開

打球が当たった瞬間にボールデッドとなるため、野手にプレーを続けさせないことが大切です。今回なら、

「タイム!二塁走者、打球に当たってアウト。打者走者は一塁」

と伝えれば、両チームにも分かりやすいでしょう。

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まとめ|走者はアウト、打者には内野安打

今回のポイントをまとめます。

確認すること判定・記録
野手に触れていないフェアボールが走者に当たった走者アウト
ボールの状態即ボールデッド
打者一塁へ
打者の記録単打(内野安打)
走者のスコア一般的にはIP
刺殺打球に最も近い野手
補殺通常は記録しない

走者がアウトになるところまでは分かっても、打者をどうするのか、スコアをどう記録するのかまでは迷いやすいプレー。私も試合を見ながら、審判をしていたパパとスコアを書いていたママが、それぞれ違う部分で迷っていることに気付きました。

覚えておきたいのは、次の4つ。

走者にフェアの打球が当たったときのポイント
  1. 走者はアウト
  2. ボールデッド
  3. 打者は一塁
  4. 記録は内野安打

審判をするときだけでなく、スコアを書くときにも知っておきたいルールですね。

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おまけ|スコアを勉強中の妻にプレゼントした一冊

野球のスコアは、よくあるプレーなら書けても、珍しいプレーが起きると迷ってしまいます。特に少年野球では珍しいプレーが多発…笑

今回、打球に当たった二塁走者を「IP」でアウトと記録するところまでは分かりました。しかし、その後に迷ったのが打者の記録です。

「どう書けばいいんだろう…?」

スコアを勉強中の妻だけでなく、私にも分かりませんでした。そこで確認したのが、以前、私から妻へプレゼントした『少年野球 スコアのつけ方』です。

この本を調べてみると、今回のようにフェアの打球が走者へ当たった場合、打者には安打を記録することが書かれていました。私たちが実際に迷ったプレーの答えを、この本で確認できたのです。

『少年野球 スコアのつけ方』は、日本野球機構(NPB)が監修した、少年野球のスコアを学びたい保護者向けの一冊です。基本的なスコアの付け方だけでなく、今回のような少し珍しいプレーを調べたいときにも役立ちます。

  • 「スコアラーをお願いされたけれど、書き方が分からない」
  • 「見慣れないプレーが起きると迷ってしまう」

そんなパパ・ママは、手元に置いておくと安心です。

以上、この記事が、少年野球で審判やスコアラーを務める方にとって、迷いやすいプレーを正しく判断するきっかけになればうれしいです^^