少年野球で審判をすることになったけど、「ストライクゾーンって結局どこ?」と迷ったことはありませんか?大人の野球と違って、子どもによって体格差も大きいので、判定に悩む場面も多いですよね。
本記事では、公認野球規則に基づいた「ストライクゾーンの正しい位置」を図解つきでわかりやすく解説します。特に、高め・低め・横幅の“ギリギリのライン”について詳しく紹介しますので、保護者審判や指導者の方の参考になればうれしいです。
それでは、プレイボール!
\この記事を書いた人/

ひるきん
小学校から大学まで野球を続けた経験を持つアラフォーパパ。わが子も少年野球を始めたことがきっかけで、審判としてグラウンドに立つ機会が増えました。しかし、そこで気付かされた「野球のルール、ちゃんと分かってない…」。わが子とともに日々野球の勉強中です!
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そもそも「ストライク」とは?

ピッチャーがいい球を投げればストライク。そもそも”ストライクとは何か?”を解説します。
- 打者にとって「打たなければいけないボール」
- 審判の最も重要な判定の一つ
打者にとって「打たなければいけないボール」
「ストライク」は英語の「strike(打つ)」が語源で、「打て!」という意味があります。
野球が始まったころは、ピッチャーはバッターが打ちやすいボールを投げるのがルールでした。ところが、バッターがずっと見逃すと試合が進みません。
そこで審判が「strike!(打てよ!)」と声をかけて注意したのが、このルールの始まりとされています。
(参考:野球の“ストライク”って何のこと?)
つまり「ストライク」は、「この球は打ちに行くべきだよ」というサインなのです。
審判にとっては最も大事な判定のひとつ
ストライクの判定は、野球の中で最も回数が多い審判の仕事です。そして、試合の流れや選手の心理にも大きく関わります。
- ストライク or ボールによって、打者が積極的になるか、慎重になるかに影響
- ストライクを取れるかどうかで、ピッチャーの攻め方が変化
- 打者の身長や構えによって、ストライクゾーンが変動
だからこそ、審判にとってストライクの判断はとても重要なのです。
「ストライクゾーン」はどこ?図解で解説
野球で「ストライクかボールか」を決めるのがストライクゾーンです。これはホームベースの上に浮かんでいる“立体の空間”で、「高さ」と「横幅」で形が決まります。
打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、膝頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。
引用元:公認野球規則2025
定義74
ここでは、ストライクゾーンのギリギリを判断するために、高め・低め・横幅を順に詳しく見ていきましょう。
- ストライクゾーンの「高め」いっぱい
- ストライクゾーンの「低め」いっぱい
- ストライクゾーンの「横幅」
- ストライクゾーンは「ホームベース上の空間」
ストライクゾーンの「高め」いっぱい

高めの上限は、打者が構えたときの「肩の上端」と「ズボンのウエスト」の「中間点」に引いた水平ラインです。
- 「肩の上端」は、力を抜いて構えたときの一番高い肩の位置。
- 「ズボンのウエスト」は、ユニフォームのズボンの一番上、腰のあたり。
- この2点の中間あたりにある高さが、高めギリギリのライン。
打者の身長や構え方によってこの高さは変わるので、ひとりひとりに合わせて見る必要があります。少年野球では特に注意が必要です。
ストライクゾーンの「低め」いっぱい

低めの下限は、打者が構えたときの「ひざの皿の下」のラインです。このラインをボールの一部でもノーバウンドで通ればストライクです。
審判としては「ここまで低いボールがストライクになるんだ」と意識しておくと、正確な判定ができます。
ストライクゾーンの「横幅」

ストライクゾーンの横幅は、ホームベースの端から端です。この幅は43.2cmあります。
ボールの一部であっても、この幅に少しでもかすっていればOKです。
ストライクゾーンは「ホームベース上の空間」

ストライクゾーンはホームベース上の空間。ちょうど写真のようなイメージになります。ボールが“少しでも”このストライクゾーンに触れていればストライクです。
審判をするときは、打者の体格・構え方に応じて、このゾーンの大きさを毎回イメージすることが大切です。
ストライクゾーンの位置は常に「ホームベース上」

打者によって、バッターボックスに立つ位置は様々。例えば、速球に備える打者は、バッターボックスの一番後ろに立つことがあります。
このときに注意したいのが、「打者のいる位置」ではなく、常に「ホームベースの上」にストライクゾーンがあること。審判がストライクを判定するときは、「打者の位置を通過するボール」ではなく「ホームベース上を通過するボール」を見て判断する必要があります。
ストライクゾーンの基準は「自然に打つ姿勢」

打者の中には、ストライクゾーンを小さく見せようとして、不自然にしゃがんだり、腰を落としたりする選手もいます。しかし、その姿勢に合わせてストライクゾーンを決める必要はありません。
公認野球規則では、ストライクゾーンは「その選手が実際に打つときの自然な姿勢」を基準に決めると、定められています。
ストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである。
構えた姿勢が極端に小さくても、それが「打つための姿勢」でないと判断されれば、審判は無視して良いのです。
自信を持ってストライク判定するために
ストライクの判定は、試合の流れや勝敗に直結する大切なジャッジです。でも、ネット情報や経験だけでは、「これって本当にルール通り?」と迷うこともありますよね。
そんなときに頼れるのが、野球ルールの公式ガイドブック「公認野球規則」です。
- 「ストライクゾーン」の定義や細かい判定基準
- ボールデッド・ファウル・インプレーなどの状況別ルールも言語化
- 少年野球でも適用される審判の基本もしっかり網羅
ストライクゾーンだけでなく、他のルールもしっかり言語化されています。迷ったらまずこれをチェックしておくと、現場でも自信を持って対応できますよ。
\レビュー記事はこちら/
打者走者が一塁に駆け込むとき、ボールと足が“同時”だったら?アウト?それともセーフ?公認野球規則のおかげで、もう迷いはありません。
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まとめ:もう迷わない!ストライクゾーン

ストライクゾーンは、ただの「打てそうな球」のことではありません。正しくは、打者の構えに応じて決まる、高さと横幅を持った空中の“立体空間”です。
- 高めの上限:打者が構えたときの「肩の上端」と「ズボンのウエスト」の「中間点」
- 低めの下限:打者が構えたときの「ひざの皿の下」のライン
- 横幅:ホームベースの端から端
- ボールの一部でもストライクゾーンに触れていればストライク
打者の体格・構え方に応じて、ストライクゾーンの大きさが変わるため、審判の観察力がとても大切になります。本記事で紹介した「高め・低め・横幅」の基準を意識すれば、迷いが減り、自信を持ってストライクを宣告できるようになるはずです。
野球をもっと楽しく、公平にするために。審判の第一歩として、ストライクゾーンの正しい理解をぜひ身につけてください!
以上、この記事が参考になれば、うれしいです^^