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【少年野球審判】よくあるボークTOP3を分かりやすく解説

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少年野球で審判をしていると、意外とよく出くわすのが「ボーク」。

私も最初は「今のってボークなのかな?」と迷うことばかりでしたが、何試合か経験してみると、特によく見るパターンがだんだん分かってきました。

この記事では、審判デビューした父親が現場でよく遭遇するボークTOP3をご紹介します。これを読めば、次の試合のジャッジの迷いが減るはずです。

この記事は、公認野球規則を参考にしつつ、筆者自身の野球経験をもとにした個人の見解です。正式なルールや細かい規定については、各地域の野球連盟・協会にご確認ください。

それでは、プレーボール!

ひるきん
小学校から大学まで野球を続けた経験を持つアラフォーパパ。わが子も少年野球を始めたことがきっかけで、審判としてグラウンドに立つ機会が増えました。しかし、そこで気付かされた「野球のルール、ちゃんと分かってない…」。わが子とともに日々野球の勉強中です!
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ボークは複雑でパターンが多い

公認野球規則ボークに関する条項は6.02(a)(1)〜(13) と、なんと13項目もあります。すべてを丸暗記するのは正直むずかしい…。

実はボークは、単純な反則ではなく「奥が深いプレー」なんです。

よくあるボークTOP3

ボークにはたくさんの種類がありますが、少年野球で実際によく見かけるのはごく一部です。そこで今回は、私の経験をもとに 「よくあるボークTOP3」 をランキング形式で紹介します。

この3つを知っておくだけで、試合中に迷うことがグッと減るはずです。

  • 第3位:投球動作を途中でやめてしまう
  • 第2位:セットポジションの完全静止ができていない
  • 第1位:打者が構える前に投球動作に入る

第3位:投球動作を途中でやめてしまう

「おっと間違えた!」といった感じで投球を中断するケース。キャッチャーのサインを見間違えたり、牽制しようか迷ったときによくあります。

セットポジションに入ろうと動き出したにも関わらず、途中でやめて元の体勢に。先日観戦した試合でも見かけたほどです。

なぜダメ?

公認野球規則では、正しいセットポジションの投球姿勢が定められています。

打者への投球動作を起こしたならば、中断したり、変更したりしないで、その投球を完了しなければならない。

引用元:公認野球規則 5.07(a)(2)② 

正しい投球姿勢に違反した投球は、ボークであるとも明記されています。

投手板に触れている投手が、5.07(a)(1)及び(2)項に定める投球動作に違反した場合。

引用元:公認野球規則 6.02(a)(1) 

投手がサインを見間違えたり、牽制しようか迷ってしまい、投球動作を途中で止めてしまうことが多いです。

第2位:セットポジションの完全静止ができていない

セットポジションで投球する際、しっかりと停止することなく、ボールを投げてしまう…。ボークにならなくても、審判から注意を受けるケースをよく見かけます。

意識していないと、きちんと静止せずに流れで投げちゃうんですよね。

なぜダメ?

公認野球規則では、次の場合がボークであると明記されています。

投手がセットポジションから投球するに際して、完全に静止しないで投球した場合。

引用元:公認野球規則 6.02(a)(13) 

なお、走者が塁にいない場合は、必ずしも完全に停止する必要はないので、ご注意ください。

第1位:打者が構える前に投球動作に入る

焦りや緊張から、打者がまだバットを構えていないのに投手が投げ始めてしまう場面です。打者としても不意を突かれたり、危険を感じる投球です。

私が球審中、打者が構える前に投球動作に入った投手に対し、注意したことがあります。試合観戦中も良く見かけるシーンです。

なぜダメ?

打者が構えるのを待たずに投球する行為は、反則投球にあたります。

QUICK RETURN Pitch「クイックリターンピッチ」⸻打者の虚を突くことを意図した投球をいう。これは反則投球である。

引用元:公認野球規則 定義64

 

反則投球はもちろん「ボーク」です。

投手が反則投球した場合。

引用元:公認野球規則 6.02(a)(5) 

少年野球では投手が待ちきれずに、打者がちゃんと構える前に投げてしまうことがよくありますが、許されない危険な投球です。

ボーク宣告の正しいやり方

ボークを見つけたら、審判がやるべきは「宣告」。宣告の仕方や宣告後のプレーをどうすべきかも解説します。

実は、ボークはすぐに試合を止める反則ではありません

  • ボークの宣告とジェスチャー
  • ボークは塁審も宣告してOK

ボークの宣告とジェスチャー

ボークと思ったら、投手を右手で指差しながら、「ボーク!」 と大きな声で宣告しましょう。

  • 投手を右手で指差す。
  • 「ボーク!」 と大きな声で宣告する。
  • そのままプレーを見守り、打者や走者がどう動くかを確認する。
  • プレーが一段落したら、タイムをかける。
  • 走者の進塁やカウント整理などの処置を行う。

ボークを宣告してもプレーは続行させ、一段落後に処置をする必要があるので、要注意です。

ボークは塁審も宣告してOK

「ボークって球審しか宣告できないんじゃ…?」と思っている人も多いかもしれません。実は、塁審もボークを宣告できます

私が球審として初めてボークを宣告したときも、一塁審判がフォローしてくれたので安心できました。

ボークを宣告した後の処理

審判としてボークを宣告した後、どう処理すればよいかも整理しておきましょう。ランナーの有無で処理の仕方が異なりますので、注意が必要です。

  • 走者がいる場合の処理
  • 走者がいない場合の処理

走者がいる場合の処理

走者がいるときにボークが宣告されると、すべての走者は自動的に1つ先の塁へ進むことができます。例えば、三塁に走者がいる場合は本塁に進み、攻撃側に1点が入ります。

ただし、ボークの後に起きたプレーの方が攻撃側に有利な場合は、そのプレー結果が優先されます。例えば、ボークの投球を打者がホームランにした場合は、ボークではなくホームランが適用されます。

走者がいない場合の処理

塁に走者がいないときにボークが宣告されると、その投球は「ボール」としてカウントされます。例えば、打者がまだ構えていないのに投手が投げてしまった場合は、ボールカウントになります。

一方で、投球動作を途中で止めてしまった場合は「ボークのみ」でプレーが続行されます。

投手の手から離れたボールがファールラインを越えなければ、”投げた”とは見なされず、途中で止めた扱いになります。

さらに詳しく学びたい方へ

今回ご紹介した「よくあるボークTOP3」は、私の審判や試合観戦の経験からまとめたものです。ただ実際には、ボークにはもっと多くのパターンがあり、複雑です。

「ボークをもっと正しく理解したい」という人には、 『少年野球審判マニュアル新版 正しい理解&判断がよくわかる』がオススメ。よくあるボーク12パターンが写真付きで丁寧に解説 されています。

審判デビューしたばかりの方でも、写真を見ながら理解できるので安心。文字を読むだけより、理解が深まります。

まとめ|ボークTOP3を押さえて試合に臨もう

審判をしていると、最初は「これってボークかな?」と不安になることも多いですが、よく出会うパターンを知っておくだけで、落ち着いて判断できるようになります。

よくあるボークTOP3
  • 第1位 打者が構える前に投球動作に入る
  • 第2位 セットポジションの完全静止ができていない
  • 第3位 投球動作を途中でやめてしまう

今回紹介した3つは、少年野球で本当に多いと感じるケースばかり。よく出会うケースを知っておけば、落ち着いて判断できるはずです。ぜひ頭の片隅に入れて、次の試合に臨んでみてください。

以上、この記事が参考になれば、うれしいです^ ^