少年野球の試合で審判をしていると、どうしても避けられないのが「誤審」。どれだけ気をつけていても、見えない角度や一瞬の判断によって、ミスは誰にでも起こります。
大切なのは、誤審そのものを過度に恐れることではなく、万が一誤審してしまった時に、落ち着いて正しく対処できるかどうか。実はこの「誤審時の対応」については、公認野球規則8.02(b)(c) にしっかり明記されています。
この記事では、少年野球の現場でもすぐ実践できる 誤審の訂正方法・審判団の協議の流れ・訂正できる誤審/できない誤審の見分け方 をわかりやすくまとめました。不安を自信に変えるために、まずはこの基本を押さえておきましょう。
「ひょっとして誤審?」と対応した私の実体験も紹介しますので、参考になればうれしいです。それでは、play ball!
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ひるきん
小学校から大学まで野球を続けた経験を持つアラフォーパパ。わが子も少年野球を始めたことがきっかけで、審判としてグラウンドに立つ機会が増えました。しかし、そこで気付かされた「野球のルール、ちゃんと分かってない…」。わが子とともに日々野球の勉強中です!
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少年野球で誤審は誰にでも起こる
少年野球の試合で審判をしていると、どうしても避けられないのが誤審です。特に少年野球は大人の野球とは違い、「誤審が起こりやすい環境」がいくつも重なっています。
- 少年野球では“予期せぬプレー”が頻発する
- パパ審判の野球経験が足りない
- 誤審は正しく対処できるかが大事
少年野球では“予期せぬプレー”が頻発する

子どもたちの野球は、良くも悪くも“何が起こるかわからない”。プロや高校野球ではまず見ないような、想定外のプレーが飛び出します。
- 走者が急に逆走する
- 捕球したと思ったらグラブからポロッと落ちる
- 送球が大きく逸れてプレーが二転三転する
予期せぬ展開が多いため、審判が一瞬判断に迷ってしまうのは普通のことです。
パパ審判の野球経験が足りない

少年野球では、野球未経験の保護者が審判に入る場面も珍しくありません。
プレー経験はあっても「ジャッジの経験」はまた別物で、これはどれだけ野球をしていても簡単ではありません。
- 野球経験が少ないパパ
- 野球はしていても審判は初めて
- 審判メカニクスの知識がないまま試合に入る
こういった状況では、誤審が起こるのはむしろ自然なことです。
誤審は正しく対処できるかが大事

どれだけ経験豊富な審判でも誤審は起こります。大切なのは、誤審をゼロにすることではなく、誤審に気づいた時にどう対処できるか。
がんばる子どもたちが安心してプレーできるように、そしてフェアな試合を守るためにも、誤審時の正しい対処法を知っておくことが審判にとって最も重要です。
誤審に対する公式ルール

誤審をしてしまったとき、審判はどう動くべきなのか?実はこれ、公認野球規則にしっかり定められています。
特に誤審の訂正に関係するのが 8.02(b) と 8.02(c)。この2つを理解しておくと、少年野球の試合でも落ち着いて判断できるようになります。
- 審判員の協議で誤審は訂正できる
- 機会を逃すと誤審は訂正できない
審判員の協議で誤審は訂正できる
審判員が協議して先に下した裁定を変更する場合、審判員は、走者をどこまで進めるかを含め、すべての処置をする権限を有する。
引用元:公認野球規則8.02(c)より抜粋
公認野球規則では、誤審があった場合は審判団で協議し、正しい裁定に変更できることが明記されています。変更によって走者を戻したり、進めたりする処置も、審判が行えます。
たとえ誤審があったとしても、落ち着いて協議すれば、試合を正しい方向に戻すことができるのです。
機会を逃すと誤審は訂正できない
審判員が、規則に反した裁定を下したにもかかわらず、アピールもなく、定められた期間が過ぎてしまったあとでは、たとえ審判員が、その誤りに気付いても、その裁定を訂正することはできない。
引用元:公認野球規則8.02(b)【注】
いくら誤審が訂正可能だとしても、機会を逃すと訂正はできません。次のプレーが始まってしまうと訂正できない場合があります。
「あれ?」と感じたら 即タイムをかけることがとても大切です。すぐにプレーを止めれば、試合中の大きな混乱を防げます。
誤審に気づいたときの正しい対処フロー
誤審をしてしまったとき、最も大切なのは「焦らず、正しい順番で動くこと」です。次の4ステップのとおり対処すれば、きちんと修正できます。
- あれ?と思ったら即「タイム」
- 審判員で協議
- 正しい裁定に変更し、走者を適切に配置
- 両監督へ説明
① あれ?と思ったら即「タイム」

誤審かもしれない…と感じたら、まずは迷わず 「タイム!」 をかけましょう。なぜなら、公認野球規則8.02(b)では、プレイが再開してしまうと訂正できないケースがあると定められているからです。
特に少年野球はテンポが速く、投手がすぐに投げてしまうことが多いので、モヤっとした瞬間に止めるのがポイント。プレイを止めるのは“審判だけが持つ権限”なので、堂々と声を出しましょう。
② 審判員で協議

「タイム」をかけたら、審判同士でマウンド付近に集まり、協議します。
- タッチはあった?
- 捕球してた?
- 見えてない角度があった?
- 正しく適用すべき規則はどれか?
該当するプレーに対して、各審判の意見を確認し合います。
③ 正しい裁定に変更し、走者を適切に配置

協議を終えたら、誤審を訂正して正しい裁定に変更します。必要に応じて、走者の扱いも調整しましょう。
- アウトに変更したので走者を戻す
- セーフに変更したので走者を進める
など、状況に応じて審判が最も妥当と判断する位置に配置すればOKです。
④ 両監督へ説明

判定を変更したあとは、両ベンチに対して説明を入れます。
- 「協議の結果、判定を〇〇に変更します。」
- 「走者を〇〇に戻します。」
など、簡潔かつ明確な説明を心がけましょう。
【成功談】不安なジャッジを審判協議で確認

公式戦で球審を任されていたときのこと。内野ゴロで三塁走者が本塁を狙ったものの、返球が早く諦めて三塁へ戻ろうとした場面でした。
捕手から三塁手へ鋭い送球が入り、三塁手は戻る走者にタッチ…のはずが、走者は身体をひらりと反らしてタッチを回避し、そのまま三塁ベースへ戻りました。結果、三塁塁審の判定はセーフ。
すると、捕手から球審の私に「今の、避けすぎじゃないですか?」とアピールが。確かに、走者が3フィート以上離れたようにも見えるプレーです。
私自身も「今のはどうだ…?」と感じていたため、 「タイム!」 と宣告。ピッチャーマウンドに審判4名が集まり協議した結果、各審判が「3フィートラインは越えていない」 と判断し、判定はそのままセーフとしました。
周囲からの抗議もなく、試合もスムーズに再開し、無事に終了。誤審ではありませんでしたが、モヤモヤを残さないことで、選手・監督・観客すべてが納得できる試合になりました。
【失敗談】すぐに審判協議すればよかった…

練習試合で球審をしていたときのこと。打者が打った打球は足元付近でバウンドし、そのままフェアゾーンへ。私は見えた通りに 「フェア!」 と宣告しました。
ところが、一度は一塁へ走り出した打者が、途中で走るのをやめてしまいました。野手は落ち着いて一塁へ送球し、結果はアウト。
不服そうな表情で「今のファールじゃないの?」 とベンチへ戻る打者。どうやら自打球だったようですが、私は「打者に打球は当たっていない」判断しました。
そのチームの指導者や保護者も自打球と思ったのでしょう。「審判がフェアと言ったらフェア!最後まで走らないとダメだよ!」と指導する声が…。
あの瞬間、すぐにタイムを取って、塁審と協議していれば違った結果になっていたかもしれない。「打者に悪いことをしてしまったな…」という、忘れられない苦い経験です。
誤審をおそれず自信ある判定を!
一度誤審を経験すると、「自分は審判に向いていないのでは…」と自信を失うパパ審判は少なくありません。でも実は、野球のルールは あなたの“その場の判断”を公式に守ってくれる 仕組みになっています。
審判員の判断に基づく裁定は最終のものであるから、プレーヤー、監督、コーチ、または控えのプレーヤーが、その裁定に対して異議を唱えることは許されない。
引用元:公認野球規則8.02(a)より抜粋
野球のルール上、あなたのジャッジに選手・監督・コーチが異議を唱えることは、そもそも認められていません。あなたの判断が唯一の正しい裁定であり、 誤審を恐れる必要はないのです。
少年野球の審判は、完璧な判定よりも「自信を持って宣告すること」が最も大切。「不安なジャッジをしてしまったときだけ、タイムをかけて協議しよう」くらいのスタンスで望めばOKです。
まとめ|誤審は正しく対処すれば怖くない

誤審は、どれだけ経験のある審判でも避けられないものです。大切なのは「誤審をしないこと」ではなく、誤審が起こったときに正しく対処できること。
公認野球規則に従い、次の4つの流れさえ押さえておけば、どんな試合でも落ち着いて対応できます。
- 違和感を覚えたら即タイム
- 審判員同士で協議
- 正しい裁定に変更・調整
- 両監督に明確に説明
審判の役目は「完璧な判定をすること」ではなく、選手が安心してプレーできる環境を守ること。迷ったときは協議し、判断に自信をもって試合を進めれば、試合は必ず良い方向に整います。
誤審を恐れず、堂々とジャッジしましょう。あなたの判断が、選手たちにとっての“フェアな試合”を支えています。
以上、この記事が参考になれば、うれしいです^^




