少年野球で審判するとき、頭を悩ます「ボーク」。公認野球規則では13種類もあって、全て覚えるのは大変です。
私自身「今のってボーク?」と迷う場面だらけでした。しかし、何試合も経験していくうちに、実際の少年野球でよく起こるパターンや審判が見るべきポイントが少しずつわかってきました。
この記事では、
- ボークの基本ルール
- 審判が見落としやすいポイント
- 試合中によくあるボーク
- 実際にあったレアケース
まで、まとめて分かりやすく解説します。これを読めば、次の試合でボークの判断に迷う回数がグッと減るはずです。
それでは、プレイボール!
\この記事を書いた人/

ひるきん
小学校から大学まで野球を続けた経験を持つアラフォーパパ。わが子も少年野球を始めたことがきっかけで、審判としてグラウンドに立つ機会が増えました。しかし、そこで気付かされた「野球のルール、ちゃんと分かってない…」。わが子とともに日々野球の勉強中です!
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\こんな記事も書いています/
- ボークとは?
- ボークは複雑でパターンが多い
- (1)投球動作を途中で変えたりやめたりしたとき
- (2)一塁または三塁への「けん制のフリ」だけして投げなかったとき
- (3)塁に投げるとき、足をその塁へしっかり踏み出さなかったとき
- (4)ランナーのいない塁に投げたり、投げるフリをしたとき
- (5)反則投球(クイックピッチ)をしたとき
- (6)打者の方をしっかり向かないうちに投げたとき
- (7)投手板に触れていないのに、投球につながる動作をしたとき
- (8)投手がわざと試合を遅らせたとき
- (9)ボールを持っていないのに、投手板に立ったり投球のフリをしたとき
- (10)投球姿勢に入ったあと、投げる&牽制する以外でボールから手を離したとき
- (11)投手板に触れた状態でボールを落としたとき
- (12)故意四球のとき、捕手がキャッチャーボックスから足を出している場合
- (13)セットポジションからの投球で、完全に静止しなかったとき
- よくあるボークTOP3
- 正しいボーク宣告の仕方
- ボークを宣告した後の処理
- さらに知っておきたい珍しいボークの事例
- 詳しく学びたい方へのオススメ書籍
- まとめ|もう迷わない!ボーク判断のポイント総まとめ
ボークとは?

ボークとは「投手が走者をだますような不正な動作をしたときに宣告される反則」のこと。細かいルールはありますが、以下のポイントを押さえておけば、理解しやすくなります。
- 投球板に触れているか?
- 投げる動作に入っているか?
- その動きが走者をだましていないか?
走者がいる場合は全ての走者が1つ進塁、走者がいない場合は「ボール」として処理されます。
フォームが身についていない選手が多い少年野球では、すぐにボークを宣告せず、審判が一度プレーを止めて注意することもよくあります。
ボークは複雑でパターンが多い

公認野球規則でボークに関する条項は6.02(a)(1)〜(13) と、なんと13項目もあります。実は奥が深いボークを順番に解説します。
- 投球動作を途中で変えたりやめたりしたとき
- 一塁または三塁への「けん制のフリ」だけして投げなかったとき
- 塁に投げるとき、足をその塁へしっかり踏み出さなかったとき
- ランナーのいない塁に投げたり、投げるフリをしたとき
- 反則投球(クイックピッチ)をしたとき
- 打者の方をしっかり向かないうちに投げたとき
- 投手板に触れていないのに、投球につながる動作をしたとき
- 投手がわざと試合を遅らせたとき
- ボールを持っていないのに、投手板に立ったり投球のフリをしたとき
- 投球姿勢に入ったあと、投げる&牽制する以外でボールから手を離したとき
- 投手板に触れた状態でボールを落としたとき
- 故意四球のとき、捕手がキャッチャーボックスから足を出している場合
- セットポジションからの投球で、完全に静止しなかったとき
(1)投球動作を途中で変えたりやめたりしたとき
ピッチャーが投手板に触れている状態で、決められた投球動作に反したらボークです。
特に、 自由な足(軸足じゃない方の足)が投手板の後ろを超えたら、必ずホームへ投げなければいけません。
二塁への牽制だけは、例外でOK。投手板の後ろに足を踏み出さないと、牽制できないですもんね。
(2)一塁または三塁への「けん制のフリ」だけして投げなかったとき
投手板に触れたまま、一塁や三塁に「投げるフリだけして投げない」 のはボークです。投げるフリをしたい場合は、投手板を外す必要があります。
二塁への牽制は、ちゃんとステップすれば、投手板を外さなくても投げるフリOKです。
(3)塁に投げるとき、足をその塁へしっかり踏み出さなかったとき
牽制するときは、投げる方向の塁へ、自由な足をまっすぐ踏み出す のがルール。
- 足をちょっと上げただけ
- 方向だけ変えた
- 体の向きを変えて投げた
は、すべてボークです。
(4)ランナーのいない塁に投げたり、投げるフリをしたとき
ランナーがいない塁へ投げたり、投げるフリをしたらボーク。ただし、「ランナーがその塁に走ろうとしている」など、プレーの必要がある場合はOKです。
(5)反則投球(クイックピッチ)をしたとき
打者がまだ構えていないのに、急いで投げる「クイックピッチ」はダメ。ランナーがいればボーク、いなければボールです。
危険な行為なので、絶対にやめましょう。
(6)打者の方をしっかり向かないうちに投げたとき
ピッチャーは、打者に正対してから投げないといけません。ちゃんと打者を向かずに投げれば、ボークです。
(7)投手板に触れていないのに、投球につながる動作をしたとき
投球動作は、投手板に触れてから行うもの。触れていないのに動作を始めるとボークです。
(8)投手がわざと試合を遅らせたとき
不必要に時間を使って試合を遅らせるのもボークに当たります。
警告が出ている場合は、別のルールが優先。
(9)ボールを持っていないのに、投手板に立ったり投球のフリをしたとき
ボールを持たないまま
- 投手板に立つ
- またぐ
- 投球のフリをする
これらは全部ボークです。
野手が「隠し球」をしたとき、投手が投手板に立っているとボークなので、要注意!
\隠し球は審判も要注意!/
(10)投球姿勢に入ったあと、投げる&牽制する以外でボールから手を離したとき
セットポジションまたはワインドアップの状態で投球姿勢に入ったあとに、理由なくボールから手を離すとボークです。
牽制時に転び、ボールを落としてしまった投手に対し、ボークを宣告した経験があります。
(11)投手板に触れた状態でボールを落としたとき
投手板に触れた状態でボールをポロっと落としてしまうことがあります。この場合、わざとでも、うっかりでもボークです。
(12)故意四球のとき、捕手がキャッチャーボックスから足を出している場合
故意四球を投げるとき、キャッチャーは両足ともキャッチャーボックス内にいなければいけません。片足でも外にある状態で投球するとボークです。
スクイズを予想してボールを外すときは、要注意!
(13)セットポジションからの投球で、完全に静止しなかったとき
セットポジションでは、一度「ピタッ」と静止する必要があります。静止しないで投げるとボーク。
よくあるボークTOP3
ボークにはたくさんの種類がありますが、少年野球で実際によく見かけるのはごく一部です。そこで今回は、私の経験をもとに 「よくあるボークTOP3」 をランキング形式で紹介します。
この3つを知っておくだけで、試合中に迷うことがグッと減るはずです。
- 第3位:投球動作を途中でやめてしまう
- 第2位:セットポジションの完全静止ができていない
- 第1位:打者が構える前に投球動作に入る
第3位:投球動作を途中でやめてしまう

「おっと間違えた!」といった感じで投球を中断するケース。キャッチャーのサインを見間違えたり、牽制するか迷ったときによくあります。
セットポジションに入ろうと動き出したにも関わらず、途中でやめて元の体勢に。先日観戦した試合でも見かけたほどです。
公認野球規則を確認!
公認野球規則では、正しいセットポジションの投球姿勢が定められています。
打者への投球動作を起こしたならば、中断したり、変更したりしないで、その投球を完了しなければならない。
引用元:公認野球規則 5.07(a)(2)②
正しい投球姿勢に違反した投球は、ボークであるとも明記されています。
投手板に触れている投手が、5.07(a)(1)及び(2)項に定める投球動作に違反した場合。
引用元:公認野球規則 6.02(a)(1)
投手がサインを見間違えたり、牽制しようか迷ってしまい、投球動作を途中で止めてしまうことが多いです。
第2位:セットポジションの完全静止ができていない

セットポジションで投球する際、しっかりと停止することなく、ボールを投げてしまう…。ボークにならなくても、審判から注意を受けるケースをよく見かけます。
意識していないと、きちんと静止せずに流れで投げちゃうんですよね。
公認野球規則を確認!
公認野球規則では、次の場合がボークであると明記されています。
投手がセットポジションから投球するに際して、完全に静止しないで投球した場合。
引用元:公認野球規則 6.02(a)(13)
なお、走者が塁にいない場合は、必ずしも完全に停止する必要はないので、ご注意ください。
第1位:打者が構える前に投球動作に入る

焦りや緊張から、打者がまだバットを構えていないのに投手が投げ始めてしまう場面です。打者としても不意を突かれたり、危険を感じる投球です。
私が球審中、打者が構える前に投球動作に入った投手に対し、注意したことがあります。試合観戦中も良く見かけるシーンです。
公認野球規則を確認!
打者が構えるのを待たずに投球する行為は、反則投球にあたります。
QUICK RETURN Pitch「クイックリターンピッチ」⸻打者の虚を突くことを意図した投球をいう。これは反則投球である。
引用元:公認野球規則 定義64
反則投球はもちろん「ボーク」です。
投手が反則投球した場合。
引用元:公認野球規則 6.02(a)(5)
少年野球では投手が待ちきれずに、打者がちゃんと構える前に投げてしまうことがよくありますが、許されない危険な投球です。
正しいボーク宣告の仕方

ボークを見つけたら、審判がやるべきは「宣告」。宣告の仕方や宣告後のプレーをどうすべきかも解説します。
- ボークの宣告とジェスチャー
- ボークは塁審も宣告してOK
ボークの宣告とジェスチャー
ボークと思ったら、投手を右手で指差しながら、「ボーク!」 と大きな声で宣告しましょう。
- 投手を右手で指差す。
- 「ボーク!」 と大きな声で宣告する。
- そのままプレーを見守り、打者や走者がどう動くかを確認する。
- プレーが一段落したら、タイムをかける。
- 走者の進塁やカウント整理などの処置を行う。
実は、ボークはすぐに試合を止める反則ではありません。ボークを宣告してもプレーは続行させ、一段落後に処置をしましょう。
ボークは塁審も宣告してOK
「ボークって球審しか宣告できないんじゃ…?」と思っている人も多いかもしれません。実は、塁審もボークを宣告できます。
私が球審として初めてボークを宣告したときも、一塁審判がフォローしてくれたので安心できました。
ボークを宣告した後の処理
審判としてボークを宣告した後、どう処理すればよいかも整理しておきましょう。ランナーの有無で処理の仕方が異なりますので、注意が必要です。
- 走者がいる場合の処理
- 走者がいない場合の処理
走者がいる場合の処理
走者がいるときにボークが宣告されると、すべての走者は自動的に1つ先の塁へ進むことができます。例えば、三塁に走者がいる場合は本塁に進み、攻撃側に1点が入ります。

ただし、ボークの後に起きたプレーの方が攻撃側に有利な場合は、そのプレー結果が優先されます。例えば、ボークの投球を打者がホームランにした場合は、ボークではなくホームランが適用されます。

走者がいない場合の処理
塁に走者がいないときにボークが宣告されると、その投球は「ボール」としてカウントされます。例えば、打者がまだ構えていないのに投手が投げてしまった場合は、ボールカウントになります。
一方で、投球動作を途中で止めてしまった場合は「ボークのみ」でプレーが続行されます。
さらに知っておきたい珍しいボークの事例
「牽制中に投手が転んでしまったら、ボークになる?」
答えは、ボークです。少年野球の試合で実際にあった珍しいシーンを、主審としての体験談とともにご紹介します。
- 牽制中に投手が転倒
- 勇気を出して「ボーク」宣告
- 公認野球規則上の記載
- プロ野球でも似た事例あり
- この事例から学ぶ3つのポイント
- 他の審判の表情もポイント
牽制中に投手が転倒

少年野球の試合で主審をしていたときのこと。走者は一塁の場面で右投げの投手はプレートに足をかけ、じっと走者を気にしています。
「来るぞ…」と思ったその瞬間、その場で身体を回転させ、一塁方向へけん制!ところが…足を取られて、バランスを崩してしまいました!
「あっ…」と思った時には、マウンド上で膝をつく投手と、手から離れて転がるボール。これって、もしかして…?
勇気を出して「ボーク」宣告

現場での私は「あれ? 今のは…?」と、一瞬頭が真っ白に。でもすぐに、ルールが頭をよぎります。
この状況は、まさに「ボーク」です。理由はシンプル。
- プレートに触れている状態で投球動作(牽制動作を含む)に入ったら、最後まで投げなければならない
- 動作を途中でやめたり、ボールを落としたりすると、それだけでボークになる
公認野球規則上の記載
(10)投手が正規の投球姿勢をとった後、実際に投球するか、塁に送球する場合を除いて、ボールから一方の手を離した場合。
(11)投手板に触れている投手が、故意であろうと偶然であろうと、ボールを落とした場合。引用元:公認野球規則 6.02(a)
投手は、投球または塁への送球の動作に入った後、ボールから手を離すとボークになります。また、プレートに触れているときにボールを落としてもボークです。
今回のように牽制動作を始めたけれど、転倒して投げられず、ボールを落としてしまった場合も例外ではありません。「偶然」か「わざと」かは関係なく、ボークとして扱われます。
プロ野球でも似た事例あり
足のもつれからボールが投げきれず、ボークになるケースは、プロ野球でも起きています。実例では選手がバランスを崩し、投球の途中で止まってしまい、ボークと判定されています。
この事例から学ぶ3つのポイント

審判として、ボークを判定するために覚えておくポイントは、次の3つです。
- 投手がモーションに入ったら、最後まで投げ切らなければならない
- バランスを崩したり、転倒したり、ボールを落としたりして、途中で止まればボーク
- たとえ、故意ではなく、偶然であってもボーク
この3つのポイントを押さえておくと、試合中に同じような場面が来ても慌てません。特に、グラウンドが雨でぬかるんでいる場合や投手が不慣れなマウンドの場合は、投手転倒によるボークに注意しておきましょう。
他の審判の表情もポイント

私は野球経験こそありますが、投手をやったことはありません。この時も「多分ボークだよな…」と思いながらも、自信はありませんでした。
しかし、ふと一塁審判の方を見ると、私と目が合いました。
その目は「そうだよね、ボークだよね?」と言っているよう。お互いの心の中が通じ合った気がして、私はすかさず「ボーク!」と宣告しました。
審判は一人で判断する場面も多いですが、他の審判の動きや表情がヒントになることもあります。自信がないときこそ、審判どうしののチームワークが頼りになります。
詳しく学びたい方へのオススメ書籍

実は奥が深く、複雑な「ボーク」のルール。詳しく学びたい人は、次の書籍をオススメします。審判前に一度目を通しておくと安心ですよ。
少年野球審判マニュアル新版 正しい理解&判断がよくわかる
「ボークをもっと正しく理解したい」という人には、 『少年野球審判マニュアル新版 正しい理解&判断がよくわかる』がオススメ。よくあるボーク12パターンが写真付きで丁寧に解説されています。
審判デビューしたばかりの方でも、写真を見ながら理解できるので安心。文字を読むだけより、理解が深まります。
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すぐわかる少年野球ルール
写真や図解がたっぷり使われていて、公認野球規則のような難しさがありません。ページをパラパラめくるだけでも頭に入りやすく、実際の試合で大いに役立ちます。
私が試合でボーク宣告したときも、あらかじめこの本を読んでいたので、「あれ、これってボークかも?」と試合中に何となく気づくことができました。よくあるボークの例も丁寧に紹介されているので、「あ、このケースはあの本で見たやつだ!」と試合中に思い出せるはずです。
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まとめ|もう迷わない!ボーク判断のポイント総まとめ

ボークは項目が多くて難しそうですが、次の3つを意識するだけで、判断はぐっとシンプルになります。
- 投球板に触れているか?
- 投げる動作に入っているか?
- その動きが走者をだましていないか?
少年野球では、まだフォームが安定していない子も多いため、即ボーク宣告ではなく指導に留めるのも一つ。審判が「どう動けば正しいのか」を教えてあげることで、選手はすぐに良い方向へ変わっていきます。
13項目のボークは一度に覚えなくても大丈夫。今日の試合から「この動作は大丈夫かな?」とひとつずつ確認するだけで、自然と見極められるようになります。
- 投球動作を途中で変えたりやめたりしたとき
- 一塁または三塁への「けん制のフリ」だけして投げなかったとき
- 塁に投げるとき、足をその塁へしっかり踏み出さなかったとき
- ランナーのいない塁に投げたり、投げるフリをしたとき
- 反則投球(クイックピッチ)をしたとき
- 打者の方をしっかり向かないうちに投げたとき
- 投手板に触れていないのに、投球につながる動作をしたとき
- 投手がわざと試合を遅らせたとき
- ボールを持っていないのに、投手板に立ったり投球のフリをしたとき
- 投球姿勢に入ったあと、投げる&牽制する以外でボールから手を離したとき
- 投手板に触れた状態でボールを落としたとき
- 故意四球のとき、捕手がキャッチャーボックスから足を出している場合
- セットポジションからの投球で、完全に静止しなかったとき
まずは、よく出会うパターンだけでも覚えておき、落ち着いた判断につなげましょう。以下の3つは、少年野球で本当に多いと感じるケースばかり。ぜひ頭の片隅に入れて、次の試合に臨んでみてください。
- 第1位 打者が構える前に投球動作に入る
- 第2位 セットポジションの完全静止ができていない
- 第3位 投球動作を途中でやめてしまう
あなたのジャッジが、子どもたちの安全と成長につながります。焦らず、一緒に少しずつ理解していきましょう。
以上、この記事が参考になれば、うれしいです^^






